最近よく耳にするパニック障害 いったいどんな病気?

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ここ最近、ジャニーズ事務所の人気アイドルグループ「King & Prince」の岩橋玄樹さんや「Sexy Zone」の松島聡さんが相次いでパニック障害の治療のため休養を発表しました。病名を明らかにすることにより、世間でも「パニック障害」という病気の存在を知る人が多くなりました。これは良いことだと思います。今回はもっと詳しく「パニック障害」について知ってもらうために、パニック障害についてまとめてみました。

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最近よく耳にするパニック障害 いったいどんな病気?

 

かかりやすい年齢

 

発症しやすい年齢は、男性が25~30歳女性は35歳前後が最も多いとされています。比較的若いころに発症する病気なんですね。男女別では女性に多く、なんと男性の3倍にもなります。女性のなかで、もっとも発症しやすい年代は30代で、次いで20代となっています。特に30代女性では7~8%の方がパニック障害を発症しています。ただこれらの数字はあくまで発症しやすい年齢と性別というだけで、実際には全ての方に発症する可能性はあります。

約10年前には日本人の2~3%がパニック障害を発症していましたが、最近はさらに増加傾向にあると言われています。では次に、パニック障害を発症する人としない人の差はどこにあるのか見ていきましょう。

 

かかりやすい性格

 

パニック障害を発症した人の多くに見られる共通点がいくつかあります。

 

・完壁主義者で細かいことが気になる性格な人

・小さい頃に内気な性格で人見知りだった人

・高所恐怖症・閉所恐怖症・動物恐怖症の人

・なんでも一生懸命にやる人

・他人の言うことに嫌とは言えず、全て引き受けてしまうようなお人よしな人

・人の顔色ばかりをうかがって、自分を犠牲にしてしまう人

 

このような人はパニック障害を発症しやすいと言われています。こういった性格の人は、ストレスが過度にかかってピークに達したとき、パニック障害を発症しやすくなると言われています。

 

症状

 

パニック発作

パニック障害患者は、日常生活にストレスを溜め込みやすい環境で暮らしていることが多く、発作は、満員電車などの人が混雑している閉鎖的な狭い空間、車道や広場などを歩行中に突然、強いストレスを覚え、動悸、息切れ、めまいなどの自律神経症状と空間認知(空間等の情報を収集する力)による強烈な不安感に襲われる。症状や度合は、患者によって様々だが軽度と重度の症状がある。しかし軽・重度患者ともに発作が表れる時に感じる心理的(空間認知など)印象としては、同じような傾向が見られ、漠然とした不安と空間の圧迫感や動悸、呼吸困難等でパニックに陥り、「倒れて死ぬのではないか?」などの恐怖感を覚える人が少なくない。先に挙げた自律神経症状以外にも手足のしびれやけいれん、吐き気、胸部圧迫のような息苦しさなどがあるが、それ自体が生命身体に危険を及ぼすものではない。

予期不安

患者は、パニック発作に強烈な恐怖を感じる。このため、発作が発生した場面を恐れ、また発作が起きるのではないかと、不安を募らせていく。これを予期不安という。そして、患者は神経質となりパニック発作が繰り返し生じるようになっていく。

広場恐怖

パニック発作の反復とともに、患者は発作が起きた場合にその場から逃れられないと妄想するようになる。さらに不安が強まると、患者は家にこもりがちになったり、一人で外出できなくなることもある。このような症状を広場恐怖(アゴラフォビア)という。広場恐怖の進展とともに、患者の生活の障害は強まり、社会的役割を果たせなくなっていく。そして、この社会的機能障害やそれに伴う周囲との葛藤が、患者のストレスとなり、症状の慢性化を推進する。

引用:Wikipedia

 

症状を見ても実感できない人が多いと思います。私も最初は言ってることは分かるものの、実際にそんなことあるのだろうか?程度にしか思っていませんでした。しかし身近にパニック障害を発症した人がいて、家でも外でも発作に苦しんでいる姿を目の当たりにしてその恐ろしさを痛感しました。最初は電車の中だったのですが、身体のどこかが悪いのではないかと他の病気を心配したくらいです。後々それがパニック障害だったことが判明。この経験がきっかけとなり、私はパニック障害について色々と知ることになりました。

 

パニック障害になる原因

 

ではいったい何がきっかけでパニック障害を発症するのでしょうか?実は詳しい原因について分かっていません。Wikipediaにはこのように書かれています。

 

原因についてはそれぞれ異なるが、当人のそれまでの経験から心理的あるいは身体的に危険だと察知した状態の場合、潜在意識が発作を起こす事で、顕在意識に再認識させるために起こす症状とされる。

従来は精神分析的な葛藤が根本にあると思われてきた。しかし近年、認知行動療法の有効性が明確となり、そうした原因よりも、症状に対する患者の対処が症状が進展していくメカニズムとしては重視されるようになった。

また薬物療法の有効性も確認されており、生物学的因子があるという意見も強くなっている。その要因としては、思い込みや思い違いによる発作であるために投薬では寛解までは可能でも完治する事は不可能な慢性疾患だと言える。

原因についてはまだ完全に解明されていないが、脳内不安神経機構の異常によって起きるものだと考えられている。パニック発作や予期不安、恐怖などもこの脳の機能のあらわれで、そこに何らかの誤作動が生じるために起こっていると考えられている。

引用:Wikipedia

 

このように明確な原因というものは解明されていないんですよね。ただ、パニック障害を持つ人たちを見ていくうちに共通する部分がいくつかあり、それが関係しているのではないかと言われています。ただ、それが原因とは言い切れない状況なので、あくまで仮説となっています。内的要因としては2つの仮説があるようです。

 

心理社会的仮説

直接の原因ではないが、ストレスや過労が最初の発作の原因になると考えられている。パニック発作が起きた状況が条件づけられ、しばしばその状況を避けるようになり、積み重なって最終的に広場恐怖が形成される。

生物学的仮説

脳のノルアドレナリンにより引き起こされる不安感がいきすぎないように抑える働きのあるセロトニンという神経伝達物質が不足したり、または受容体が鈍くなっているためではないか、という説。また、セロトニンの過剰によるという説もある。選択的にセロトニン系に作用する新しい抗不安薬(SSRI)が開発され、不安障害の治療に中枢セロトニン系が関与していることが明らかとなった。SSRIはほとんどの不安障害亜型に有効であることが明らかになり、古典的な抗不安薬であるベンゾジアゼピンよりも広い適応を有する。セロトニン系抗不安薬は扁桃体に投射するセロトニン系の機能を増強して不安・恐怖を減弱すると考えられる。

引用:Wikipedia

 

これとは別に、薬物的な要因も考えられています。

 

喫煙

喫煙はパニック障害の発症リスクを増加させ、これは広場恐怖症やパニック発作を持っているかどうかに関わらない。また若年時の喫煙はパニック発作の形成リスクを著しく高める。一方でその機序は十分には解明されておらず、一部に異論もある。喫煙は呼吸器に影響を与えるため、発作を引きおこす可能性がある。

カフェイン

カフェインのような覚醒作用を持つ物質の摂りすぎは、パニック発作の一般的な原因である。パニック障害を持つ人は、カフェインの不安誘導作用に敏感である。

アルコールと鎮静薬

米国のデータでは、パニック障害患者の30%がアルコールを摂取し、17%がその他の向精神薬を使用している。これは米国では一般的に61%がアルコールを使用し、7.9%がその他の向精神薬を使用していることと比較してである。娯楽薬物の使用やアルコールの使用は、症状を悪化させる。カフェイン、ニコチン、コカインなどの覚醒作用を持つ薬物は心拍数などのパニック症状を増加させるので症状を悪化させる。

アルコールは初期のパニック症状を緩和させる一方、中長期のアルコール使用はパニック障害を引き起こしたり悪化させ、とりわけアルコール離脱症候群では顕著である。この現象はアルコールに限らず、同様の作用機序を持つ薬物でも同じである。とくにベンゾジアゼピンはアルコール問題のある患者に対し、精神安定剤として多く処方されている。慢性的なアルコール乱用が症状を悪化させるのは、脳内化学機能の変化のためである。

ベンゾジアゼピンの断薬時に患者の10%が遷延性離脱症候群を経験し、それにはパニック障害も含まれる。遷延性離脱症候群は、離脱時の最初の数ヶ月間の間に見られるものと似ている傾向にあり、たいてい離脱当初の2-3ヶ月の間に見られる症状に比べて亜急性の水準の重症度である。

精神保健サービスに参加する患者においては、彼らのパニック障害や社会恐怖などの不安障害は、アルコール乱用または鎮静薬乱用によるものであった。アルコールや鎮静薬は、元来の不安を継続させたり悪化させる。アルコール乱用者や慢性的な鎮静薬使用者は、そういった薬物乱用が根底にあるため、症状の根本原因に対応しなければ、その他の治療や薬物によって利益を得られていない可能性がある。鎮静状態からの回復は、アルコール離脱症候群やベンゾジアゼピン離脱症候群のため一時的に悪化する。世界不安評議会は、ベンゾジアゼピンによる長期の不安治療については、耐性、精神機能障害、認知や記憶障害、身体的依存、ベンゾジアゼピン離脱症候群のために推奨していない。

引用:Wikipedia

 

こうやって見てみると、多くの人が思い当たる節があるんじゃないでしょうか?つまり誰でもパニック障害を発症する可能性があるということです。それだけ実は身近な病気なんです。

 

治療法

 

治療には、「心理療法」と「薬物療法」の2つがあります。私が見てきた経験上、どちらも長い時間がかかる場合が多いですし、完全に治せるかというとそういう訳でもありません。途中でうつ病を併発することもよくあるようです。

パニック障害を発症したと思ったら、まずはできるだけ早めに病院に行くことです。そこで先生とよく話をして、治療にとりかかることです。ただ先生との相性はとても大切だと個人的に思っています。先生も人間です。人間同士には相性があります。相性のいい先生ならいいのですが、悪い先生だと悪化することもあります。中にはひどい先生がいるのも事実です。もし病院で先生と話して合わない、ツラいと感じるようであれば、別の病院に行った方がいいです。必ずいい先生はいますので。

いい先生と同じくらい、いやもっと大切なのは家族や身近にいる人の理解と支えです。病気をちゃんと理解することから始めないと、苦しんでいる患者さんに対して「根性がない」だとか、「仮病じゃないか」などとひどいことを言ってしまい、症状を悪化させてしまう可能性があるからです。

 

周囲の人ができること

 

あくまで私の経験談なので、全ての方に効果てきめんという訳ではありません。あくまで一つの参考程度にしてください。

もし一緒にいる人がパニック障害の発作を発症した場合は、まずは腹ばいや前かがみの姿勢をとらせてあげましょう。人混みなどでは周囲の知らない人が見えるのが不安の元になっている気がしました。その視界を遮る意味もあります。

私の場合は電車やタクシーの中で相手が発症することが多かったので、席に座った状態で少し前屈みになるようにしてあげました。座れない状態の時は向かい合った状態で軽く抱きしめてあげます。その上で座った状態なら軽く手を握ってあげて、立った状態なら背中をさすってあげます。

発作を起こしている時、本人は不安や恐怖などと闘っています。どこかが痛いという訳ではなく、心の中の不安や恐怖などでパニックになっているのです。たった一人で正体も分からない不安や恐怖などと闘っている訳ですから、それは本当にツラいと思います。

だから私は相手に一人ではないことを伝えるため、手を握ったり、やさしく背中をさすりながら、「大丈夫だよ。一緒にいるから。もうじき怖いのはいなくなるから、まずはゆっくりと深呼吸しよう」といった感じで声をかけていました。発作はしばらくすると治まりますが、長くかかることもあります。とにかく辛抱強く、励ましてあげる必要があります。

ここで大切なのは、周りにいる人は決して慌てず、冷静に対応することが重要です。こちらまで不安で焦っているとそれが本人に伝わり、さらに不安になり発作がひどくなることがあります。大切なのは不安や恐怖と闘っているということをこちらもあらかじめ理解して、発作が起きた時は冷静に対処してあげることです。

 

まとめ

 

日本はとても勤勉な民族だと言われています。就業時間も他国に比べると非常に長いです。長い時間仕事をしているということは、それだけストレスが溜まる可能性が増え、確実に疲労は蓄積していきます。こういった環境は、パニック障害を引き起こす原因になります。

最近パニック障害を発表したジャニーズ事務所の岩橋玄樹さん(King & Princeのメンバー)や同じくジャニーズ事務所の松島聡(Sexy Zoneのメンバー)さんは、元々性格的にパニック障害を発症しやすかったのだと思います。その上、ジャニーズのアイドルということで人前に出ることが多いのはもちろん、多くのプレッシャーや長い労働時間で心身ともに疲弊していたのだと思います。

ただ、年末の忙しい時期に入る前に休養に入ったのは良かったと思います。おそらく年末の忙しさは想像を絶するものだと思います。もし今の状態で年末の仕事をしていたら、一気に悪化していた可能性が考えられます。そういう意味では良かったのかもしれません。

また、彼らのような社会的に知名度のある人たちが発表することにより、「パニック障害」という病気を知った人はきっと多いと思います。パニック障害はまだまだマイナーな病気です。それゆえ、周りからは病気だと認識されずに仮病のように扱われる場面があります。パニック障害を治療するためには早めの対処が必要なのはもちろん、家族や友人などの周囲の協力も必要不可欠です。もっと世の中で認識され、パニック障害で苦しんでいる人たちが少しでも良くなるような環境になってくれればと願うばかりです。いつ自分がなるかも分かりません。苦しんでいる人がいたら、手を差し伸べましょう。

 

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