いよいよ花粉症シーズン到来。今年は新型コロナウイルスのために、2月の時点でマスクが手に入りにくくなっているのも心配の一つですが、花粉症に苦しむ人にとっては嫌なシーズンがやってきました。。そんな中、「ゾレア」という薬が重度の花粉症患者を救うという朗報が。早速ゾレアについて見ていきましょう。
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重度の花粉症患者を救う⁉ゾレアの効果は!!花粉症が治る? どれくらい楽になる?治療期間や金額は?副作用は?
花粉が原因の「肌トラブル」…対策は? “重い花粉症“対象の薬「ゾレア」登場
東海3県は、すでに花粉のシーズンに突入しています。
体に起きる症状は、鼻水やくしゃみだけではありません。
花粉による「肌荒れ」に悩む人もいるといいます。目の周りや首に…花粉が原因の肌荒れ
「スギ花粉皮膚炎」
花粉が原因で、目の周りや頬に湿疹などができる症状です。藤田医科大学ばんたね病院の堀口高彦副院長に話を聞きました。
「スギによる皮膚炎が散見されるようになった。皮膚のバリアー機能が低下して、花粉と触れることで、顔、特に目の周りやまぶた、首など、花粉が触れやすいところに皮膚症状が出ることがある」(藤田医科大学 ばんたね病院 堀口高彦副院長)
冬から春にかけての乾燥した空気や黄砂の影響で、肌のバリアー機能が低下したところに花粉が侵入。
アレルギー反応が起こり、悪化すると、湿疹などの肌荒れや痒みを引き起こします。堀口医師は、かけばかくほど痒くなり、湿疹が広がる恐れもあると指摘します。
防ぐにはどうしたらいいのでしょうか。「皮膚に花粉がつくことで症状が出てくるので、これを洗い流さないといけない。皮膚のバリアー機能を保たせるには『保湿』が大事」(堀口高彦副院長)
大事なのは「保湿」…NG行為は?
肌を清潔にし、保湿することが大事ですが、注意点があるといいます。
「肌への刺激を少なくしないといけない。かゆいからと言ってごしごし洗ったり、熱いお湯で洗ったり、爪で皮膚をひっかいたりすると、悪化につながるので十分に注意していただきたい。この時期は、皮膚の免疫能力を落とすようなものは避けた方がいい」(堀口高彦副院長)
重症者向けの薬「ゾレア」とは?
鼻水やくしゃみ、目のかゆみなど様々な症状を引き起こす花粉症。
症状の重い人を対象とした花粉症に対する薬が、今シーズン注目を集めています。「オマリズマブという、商品名『ゾレア』という薬剤が、去年の12月から花粉症の薬として日本で承認された。日常生活に支障のあるような患者には、救世主になるのでは」(堀口高彦副院長)
もともとは、重症の気管支喘息や慢性蕁麻疹の治療に使われていた「ゾレア」。
体のアレルギー反応を抑制する働きがあり、花粉症の症状を防ぐことにつながるそうです。
去年12月に、スギによる花粉症の患者に向けた「季節性アレルギー性鼻炎」への使用が承認されました。「従来の治療で効果が得づらく、なおかつ重症の花粉症の症状があり、日常生活に支障があるというような花粉症の患者にのみ、12歳以上の人に処方される」(堀口高彦副院長)
月に1~2回 注射で治療
使えるのは、従来の飲み薬や点鼻薬で効果を得づらいなど、「重症」以上と医師に診断された人のみ、医療機関で処方されます。
堀口医師によりますと、「ゾレア」は1カ月に1回、もしくは2回の注射を3カ月続けます。
保険が適用される薬で、3割負担の場合、費用は1回の注射で2万円から4万円程度がかかるそうです。去年12月に承認されたばかりの薬で、堀口医師によりますと、全国での使用例はまだ少ないものの、花粉シーズンを迎え、使用例も今後は増えていくことが予想されるということです。
引用:ヤフーニュース
ゾレアが花粉症に作用する仕組み
今までの抗ヒスタミン剤と今回のゾレアの作用の違いを色々と調べましたが、医学的な用語などが多いのでちょっと分かりにくいものばかりでした。
なので簡単な図にしてみましたので参考にしてください。
ポイントは今までの抗ヒスタミン剤の治療と違って、ゾレアはかなり早い段階で作用するという所ですね。
そもそもヒスタミンが作られる前に止める訳ですから、抗ヒスタミン剤に比べてかなり早い段階で花粉症の症状を抑えることになります。
ゾレアって飲み薬?注射?治療期間や金額は?
ゾレアですが、飲み薬ではなく注射で身体に注入するタイプの薬で、結構高価な薬です。
そして全ての花粉症患者に適用されるのではなく、スギ花粉によるアレルギー性鼻炎患者にのみ適用されます。
ゾレアの薬価は
75mgで2万3625円
150mgで4万6490円
もします。
これは元々の金額であり、保険が適用されると3割が自己負担額となります。
75mgであれば自己負担額は約7,000円
150mgであれば自己負担額は約14,000円
になります。
患者の体重と血中IgE濃度に応じて1回75~600mgを2週または4週に1回投与しますが、600mgを投与すると1回あたり18万5960円の薬剤費がかかることになります(患者の自己負担は3割負担で5万5788円)。
金額は患者によって変わるので一概には言えないという事になります。
ちなみに「IgE」ですが、以下に詳しく書かれています。
花粉など、異物とみなされてアレルギー反応を起こす原因となる物質のことを「アレルゲン(抗原)」と呼びます。体内に入り込んだ花粉が異物と認識されると、体内でIgE抗体が作られます。IgE抗体はアレルゲンを攻撃する武器のような役割をもっている物質で、免疫細胞の一種であるマスト細胞に結合して、アレルゲンを攻撃する準備をしています。ところが、体内のIgE抗体の量が増えると、「感作(かんさ)」といって特定のアレルゲンに対してIgE抗体が過敏に反応してしまう状態になることがあります。
花粉に対して「感作」が起きているときに、再び花粉が侵入してIgE抗体と結合すると、マスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンといったアレルギー症状の原因となる化学物質が放出され、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの花粉症の症状が引き起こされるのです。
ゾレアは花粉症に本当に効くの?
注射をして1週間で症状はかなり楽になり、2週間で症状はほぼなくなるそうです。
もちろん個人差はあるとは思いますが、従来の薬はほぼやめられるほど改善されるとも言われていますし、アレルギー症状としては花粉症シーズン前とほぼ変わらない状態になるだろうとも言われています。
かなり花粉症には効果があるようです。
ゾレアの治療は誰でも受けられるの?
花粉症患者にとっては嬉しい話ですが、残念ながら希望すれば誰でもゾレアによる治療を受けられる訳ではありません。
なにしろ高価な薬剤なので、利用する人が多ければ多いほど医療保険財政への影響が大きいからです。
保険が適用されれば私たちは3割負担で済みますが、7割は保険財政から拠出されます。
今や4人に1人は花粉症患者だと言われていますので、全員がゾレアを希望すれば財政が破綻します。
そのため、ゾレアの治療には厚労省がガイドラインを設けています。その中で、
と明確化されています。
つまり既に花粉症の治療を受けていて、それでもひどい花粉症患者に対してのみという事になります。
そして最初の方にも書きましたが、これはスギ花粉の花粉症患者のみです。
年齢制限もあり、12歳以上となっています。
まとめると
という事になります。
ゾレアの副作用は?
めまいや疲労感、失神などが懸念されています。
どのような薬でも必ず副作用が出る方もいますので、しっかりと医師と話すことが必要です。
まとめ
ゾレアはとても魅力的な薬だという事は分かりましたが、簡単に誰でも受けられるものでもない事も分かりました。
それでも、今まで様々な治療を受けていたにもかかわらず花粉症に苦しんでいる方にとっては素晴らしい薬です。
私も花粉症ですが、花粉症シーズンは本当に苦しいです。
少し高価ですが、花粉症のツラさがかなり軽減できるのであれば安いものだと思います。
長年重度の花粉症に苦しんでいらっしゃる方は一度ゾレアによる治療を考えてみてはいかがでしょうか?
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