ルノー、ゴーン容疑者解任見送り フランス政府が反対か!?

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先日金融商品取引法違反有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕されたカルロス・ゴーン氏ですが、フランスの大手自動車会社ルノーでは会長兼CEOを務めていました。今回の事件を受けて解任されると思っていましたが、まさかの解任見送りのニュース。いったいどういうことなんでしょうか?

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ルノーという会社

 

まずは「ルノー」という会社がどういう会社か知らない人もいるかもしれませんので、ルノーとはどういう会社かを見ていきましょう。

 

 

1898年にフランス人技術者のルイ・ルノーLouis Renault、1877年-1944年)とその兄弟によって「ルノー・フレール(ルノー兄弟)」社として設立された。現在は主に中小の乗用車や商用車を手掛ける。過去には商用車専門の子会社のルノーV.Iで大型トラックや軍用車両の生産、第二次世界大戦前は航空機やボートも生産していた。

1970年代以降PSA・プジョーシトロエンと並び、フランスの二大自動車企業の一角を占め、先進的なデザインと優れた安全性能、高品質が高い評価を受け、1998年以降2004年まで連続でヨーロッパ第1位の販売台数を維持した。

2011年現在、韓国のルノーサムスン自動車、ルーマニアのダチア、ロシアのアフトヴァースの株式を保有し、これらを傘下に収めている。また日本の日産自動車とお互いの株式を持ち合い名目上は対等の「ルノー・日産・三菱アライアンス」を構成しているが、日産はフランスの国内法の制限により議決権を行使できないため、ルノーが事実上傘下に収めている。これらの傘下に収めたグループ企業を含めると、2011年度の新車販売台数の実績では、日本のトヨタグループを抜いて、アメリカのGMとドイツのフォルクスワーゲングループに次いで世界第3位の規模の会社となる。また商用車製造社の世界的再編では、商用車専門の子会社のルノーV.Iをボルボに売却する一方、ボルボの株を20%保有し影響力を保持している。

引用:Wikipedia

 

これを見ると分かるように、世界有数の自動車会社です。さらに今年の9月には Googleとパートナーシップを結び、2021年から車両にカスタマイズしたAndroid オペレーティングシステムを搭載することを発表しました。新しいシステムではダッシュボードで車両診断に加えてGoogle マップやGoogle アシスタント、Google Playなどを利用でき、iOSデバイスとも互換性があるそうです。現状に満足せず、常に未来を見越して動く凄い会社でもあります。

 

フランス政府との関係の始まり(国営化)

 

今や世界でも有数の自動車会社となったルノーですが、順風満帆だったというわけではありません。1898年に設立されてから順調に成長していったルノーですが、そこに第二次世界大戦が立ちはだかります。第二次世界大戦下のルノーについては以下を参考にしてください。

 

1939年9月1日に勃発した第二次世界大戦において、戦争への準備が殆ど整っていなかったフランスは緒戦から敗北に次ぐ敗北を重ねた。1940年6月にはドイツ国防軍がパリを占領し、まもなくフランス全土はドイツの占領下に入ってしまう。この事態を受け、ルイ・ルノーは工場と従業員を守るために、やむなくドイツの占領軍とその傀儡政権・ヴィシー政権に協力することになった。しかしその結果、ルイ・ルノーは1944年の連合国軍によるフランス解放後に対独協力者として逮捕され、同年10月、失意のうちに獄中で病死した。一説には対独協力者として憎まれ、獄中で虐待・暴行を受けた結果の死とも伝わる。

なお、大戦中の1942年から1943年にかけて主力工場の1つであるビヤンクール工場がアメリカ・イギリス両軍の爆撃を受けて深刻な被害を受けたほか、戦争によるインフラストラクチャーの破壊により、生産設備や販売網が壊滅的な打撃を受けている。

引用:Wikipedia

 

上記のような状況にあったため、ルノーは一気に存亡の危機に陥ります。そんなルノーですが第二次世界大戦後、新たにフランスの指導者となったシャルル・ド・ゴール将軍の命令によって国営化されました。この時点でルノーはフランス政府のものになったんですね。これがフランス政府との関係の始まりです。

 

フランス政府との関係(民営化)

 

第二次世界大戦後に国営化されたルノーですが、その後見事な成長を続けます。そんなルノーですが、また転機を迎えます。

 

 

1986年11月17日には、アメリカ進出失敗などによる財政再建への打開策の一環として、民営化に向けた舵取りを取っていた当時の会長のジョルジュ・ベスが、パリの自宅の玄関前で左翼テロ集団のアクション・ディレクトに暗殺されるという悲劇が起きた。

その後、ベスの後を次いで会長に就任したレイモン・レヴィとルイ・シュヴァイツァーの指揮のもと、スケールメリットを狙って1990年2月にスウェーデンの大手自動車メーカーであるボルボと業務・資本提携することを決定し、これを機会に第二次世界大戦直後から45年間続いた公団体制から株式会社に改組された。また、同1993年9月にはボルボとの完全合併案が発表されたが、フランス政府の干渉にボルボ側の経営陣や株主、従業員などが態度を硬化したことにより交渉が決裂し、同年12月には合併が正式に撤回された。

ボルボとの合併案は撤回されたものの、その後もフランス政府は株式を売却し続け、会長の暗殺や労働組合の反対という困難を乗り切って1996年には完全民営化を果たした。2016年現在、フランス政府の持ち株比率は約19%である。

引用:Wikipedia

 

上記のような経緯があり、現在のルノーとなります。フランス政府との関係は国営化の時に始まり、民営化されたあとでもフランス政府はルノーの株を持っています。現在フランス政府はルノー株の15%を持っており、筆頭株主です。

 

カルロス・ゴーン氏の解任見送り

 

カルロス・ゴーン氏の逮捕を受け、カルロス・ゴーン氏が会長を務める日産自動車と三菱自動車工業はカルロス・ゴーン氏の解任を発表しました。ところがルノーは、カルロス・ゴーン氏の解任を見送ったとの報道がありました。ルノー側は、ティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)を暫定のCEO代行に就任すると発表。ボロレ氏は暫定的に経営トップとしてルノーを率いることになるのですが、カルロス・ゴーン氏のようにルノー・日産・三菱の3社連合をまとめられる手腕があるかどうかは不安が残るところです。それほどカルロス・ゴーン氏の手腕は凄かったということです。

フランス政府は、ルメール経済相が「十分な証拠がなく解任はできない」と述べて、日本政府に情報提供を求めています。ルノーも日産自動車や日本の司法当局が集めたとする証拠は現段階では評価できないとしています。そのうえで日産自動車に対し、ゴーン会長に関する内部調査で得たすべての情報を提供するよう求めるとしています。

 

まとめ

 

カルロス・ゴーン氏の解任については、現時点で日産自動車と三菱自動車工業が解任したのに対して、ルノーは保留と言う正反対の状況です。ルノーとしては、この危機を最小限の被害で食い止めておきたいでしょう。フランス政府としてもルノーの筆頭株主として、国として、日産側の主張だけですぐにカルロス・ゴーン氏の不正を認める訳にはいかないと思います。

その裏には様々な思惑があるのでしょう。単なる企業同士の関係性だけではなく、日本とフランスという2国間の問題にも波及します。さらにはルノー・日産・三菱の3社連合という関係性にとっても大きな局面に立っていると思われます。

ルノーは日産自動車の株式の43.4%を持っていますが、一説によると実は近々ルノーは日産自動車の株式を50%まで買い増して経営統合を図ろうとしていたようです。これに対して日産自動車側も危機感を感じてカルロス・ゴーン氏の追放を試みたのだとも考えられます。いわゆるクーデターというやつですね。

今後まだまだこの問題は続くと思います。しかしおそらくですが真相の全ては表には出てこないでしょう。私たちが知ることができるのは真実のほんの一部でしかありません。巨大な企業や国が相手となると闇が深くなるのはどうにかならないんでしょうかね。

 

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