今回の沖縄旅では南部に1日行きました。ガンガラーの谷に続いて行ったのが「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」です。文化財保護を図るため男子禁制を徹底する動きがあるらしく、今後は男性は入場できなくなるかもしれません。そうなる前に行っておきたいという事で、今回行ってきました。
斎場御嶽(せーふぁーうたき) 沖縄のパワースポットに行ってきました
斎場御嶽(せーふぁーうたき)とは
漢字だけ見てもどんなところなのかサッパリイメージが湧かないですよね?私も全然分かりませんでした。なんとなくお墓的な場所なのかな?なんて思っていたくらいです。「琉球王国のグスク及び関連遺産群」という9カ所からなる世界遺産のひとつ(2000年12月にユネスコの「世界遺産条約」に基づく世界遺産リストに登録されました)だということしか知りませんでした。
公式サイトより引用しますので、まずはどのような所なのか見てみましょう。
斎場御嶽は、琉球の最高神女(さいこうしんじょ)であった聞得大君(きこえおおきみ)の就任の儀式が執り行わられ、国の吉凶を占う儀式も行われた、琉球王国最高の聖地です。
斎場御嶽は、数ある御嶽の中でも琉球王国最高の聖地として、王府が直接管理していました。その名称についてはいくつもの説がありますが、歴史的な文献には「さやはたけ」「サイハノ嶽(タキ)」「さいは」などと記され、久高島とともにアマミキヨの霊地として国王自らが巡拝(じゅんぱい)する習わしがありました。
斎場御嶽の中にはイビと呼ばれる霊域が6カ所あります。その中でも、大庫理(ウフグーイ)・寄満(ユインチ)・三庫理(サングーイ)はいずれも首里城内にある建物や部屋と同じ名前を持っていることから、両者の深い関わりを示すものと言われています。
また、斎場御嶽を説明するうえで欠かせないのは、琉球王国の最高神女・聞得大君の就任儀礼である「お新下り(おあらおり)」です。聞得大君は国の祭祀をまとめる重要な役割を担っており、王族の女性がその地位に就きます。首里城から出発し、南風原・与那原・佐敷を経由して斎場御嶽に着くまでの各地方の神役(かみやく)たちが参列する国の大きな行事でした。その主会場が斎場御嶽です。国の最高神職に就任する重要な儀式である「お新下り」の祭祀場として選ばれたことは、この御嶽の重要性を表しています。
また、斎場御嶽は2000年12月、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のひとつとして、世界遺産リストに登録されました。
引用:南城市公式サイト(斎場御嶽)より
こうやって読んでもちょっと難しいですね。ただ「琉球王国最高の聖地」という部分を見るだけでも、とても神聖な場所だという事は分かります。特に男性にとっては入る事すら許されない場所だったようです。Wikipediaには以下のように書かれています。
かつて琉球の御嶽はその全てが男子禁制であり、斎場御嶽では庶民は入口の御門口(うじょーぐち)を越えて進入することは許されず、国王であっても、御門口より先に入るには袂の合わせを女装に改める必要があったという。
引用:Wikipedia
それぞれ読んでみて気になったのが「御嶽(うたき)」という言葉です。そもそも「御嶽」という言葉は、日常生活の中で全く耳にした事のない言葉です。まぁそれもそのはず。私のような関東人には縁がない言葉でした。公式サイトやWikipediaで調べたところ、
「御嶽」は、沖縄の聖なる空間であり、祈りの場。斎場御嶽は、琉球の創世神話に登場する沖縄の七御嶽のなかでも、最も格の高い聖地とされています。琉球王国時代は男子禁制の場で、国王が巡幸の際は、神女が一度神に伺いを立ててから、聖域内に入ったと伝えられています。
樹々が青々と茂る静かな空間、時折吹き抜ける清々しい風、緑の葉っぱの隙間から差し込む日光は心地よく、訪れる誰もがこの場所が聖地であることを体感できます。引用:南城市公式サイト(斎場御嶽)より
琉球王国(第二尚氏王朝)が制定した琉球の信仰における聖域の総称で、それ以前はさまざまな呼び名が各地方にあった。「うたき」という呼称は主に沖縄本島とその周辺の島々のものであるが、16世紀まで琉球に属していなかった宮古地方では「すく」、八重山地方では「おん」(石垣島、竹富島、西表島)・「うがん」(新城島、西表島)・「わん」(黒島、小浜島、新城島)・「わー」(波照間島)等と呼ばれる(近年では「うたき」と呼ばれることもある)。
引用:Wikipedia
と書いてありました。つまり琉球王国時代の信仰における聖域のことなんですね。沖縄に住んでいる人なら知っているかもしれませんが、私のような人間が知らないのも無理ありません。
その「御嶽」の中で最も重要とされていたのが今回私が行った「斎場御嶽(せーふぁーうたき)」です。近年では男子禁制を徹底するような意見もあり、男子禁制が検討されているようです。そもそも沖縄では神事は女性がおこなうことになっています。そのため男子禁制のとても神聖な場所なので、男子禁制の検討は当然と言えば当然です。今回男性である私が入ることが出来たのは運が良かったです。
マナーの遵守
これだけ神聖な場所ですから、訪れる際はマナーを守る必要があります。知らなかったでは済まされないこともあるので、あらかじめしっかり確認しておいてください。以下、公式サイトから引用します。
- 入場券売場から斎場御嶽入口までの移動時間を含め 1 時間~1 時間 30 分を要します。心と時間にゆとりをもつことで、より聖地を体感できます。
- 肌の露出の激しい服装は控え聖地に相応しい身支度で訪れましょう。
- 参道の保全からハイヒール等は控え、歩きやすい履物でお願いします。
- 御嶽から動植物はもちろん石やモノを持ち出さないようにしましょう。
- 入場の前にマナービデオ(約 3 分間)を視聴いただきます。
- 三庫理(サングーイ)など6カ所のイビ(神域=拝所)を背景にした人物撮影は、神域へお尻を向けることとなります。できるだけご遠慮ください。
- 祈りを捧げている方への声かけはご遠慮下さい。
- 参道の入口に御門口(うじょうぐち)があります。地元の方はここで 一礼(あいさつと自己紹介)をおこなっています。※御嶽内は本殿、御門口は拝殿の関係にあり、かつて一般の方はこの先には入れませんでした。
- 御嶽内 6 カ所に香炉(四方形の彫石)があります。神聖な石ですので手を触れたり、動かすことはご遠慮ください。
引用:南城市公式サイト(斎場御嶽)より
ちなみに斎場御嶽の「斎」という言葉には、以下のような意味があるそうです。
「斎」を国語辞典で調べると、「心身をきよめて神に仕えること。また,その人。」という意味があるようです。斎場御嶽は、元来そのような神聖な場所です。重要な儀式の度に、神の島(久高島)からわざわざ砂が運び込まれ、敷き詰められるほどの徹底ぶりでした。
ですから、来訪の際は、日頃のストレスから開放されてリゾート気分を満喫している旅の途中であっても、それ相応の心構え(準備)が必要でしょう。引用:南城市公式サイト(斎場御嶽)より
ここに書かれているように、遊び気分で行くような場所ではありません。しっかりと沖縄の文化を理解する気持ちで行く必要があります。
見どころ
個人的に素晴らしいと思った見どころをいくつか紹介します。
寄満(ユインチ)
「寄満(ユンイチ)」は拝所です。階段もあって、ここで祈りを捧げているだろう光景が頭に浮かびました。ちなみに「寄満(ユンイチ)」は「台所」を意味しています。当時ここには、国内外からの海の幸・山の幸が集まり、それが「豊穣の寄り満つる所」と理解されたようです。
三庫理(サングーイ)
三庫理(サングーイ)は一番有名かもしれません。見ての通り、巨大な岩が三角形を描く「三庫理(さんぐーい)」。左側の岩と右側の岩がバランスを取っていることから、「安定の場所」と言われています。奇跡のような場所ですが、目の前にすると神々しいものを感じます。
チョウノハナ
上記の三庫理(サングーイ)をくぐったところにあるのが「チョウノハナ」になります。ここは琉球王国の大君が国の守護を祈願したとされる神聖なる場所です。また、ここからは神の島といわれる久高島が見えるポイントにもなっています。
ちょっとこの写真では分かりにくいのですが、肉眼だと海の向こうに久高島が見えます。
注意点
とにかく自然の中にあるので、足場はかなり悪いです。特に「ウローカー」へ向かう道はかなり危険です。坂のようになっていますがとにかく滑りやすい。その上、道には岩があちこちに顔を出しています。滑って転んだ際に岩に頭を打ったら命にかかわる大怪我をする可能性がありますし、下手をすれば死んでしまう可能性すらあると感じました。
年配の方々も大勢いらっしゃいましたが、かなり苦戦していましたし疲れていらっしゃいました。歩きやすい靴で行くのは最低限の備えだと思います。危険を感じたら無理をしないのが一番だと思いますし、手すりがあるところは必ず手すりを利用した方がいいと思います。私もまだまだ体力や足腰に自信はありますが、それでもかなり緊張し疲れました。注意しすぎるということはないので、皆さん十分注意してくださいね。
料金
入場料チケット販売時間 ※南城市地域物産館で販売しています
3月~10月 17:15 まで
11月~2月 16:45 まで
入場料
【大人】300円
【小中学生】150円
【団体(20人以上)】200円
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方は、券売所窓口にて手帳を提示すると無料となります。
営業時間
【11月~2月】 9:00~17:30(最終入館 17:00)
休息日
平成24年度より、聖地としてあるべき姿を守るため、また、静寂の確保・マナー向上・自然保護を考慮することを念頭に、年に2回の一定期間の休息日を設けることになっています。世界遺産になってからの来訪者の増加や、多くの生き物を筆頭とする自然生態系の保護も踏まえての実施だそうです。
【2019年】6月3日~6月5日 / 10月28日~10月30日
【2020年】6月21日~6月23日 / 11月15日~11月17日
【2021年】6月10日~6月12日 / 11月5日~11月7日
アクセス
まとめ
初めて行きましたが、とにかく神聖な場所です。そういう空気が流れています。観光として行くのではなく、琉球の文化を垣間見に行くような感じです。普通の遺跡などとは違い、斎場御嶽は今もなお現地の方が祈りを捧げたりする生きた場所です。だからこそ踏み入る時にはしっかりと敬意を払わなければいけません。
斎場御嶽への入口は駐車場から離れています。ここも他の観光場所とは異なります。チケットは駐車場にある南城市地域物産館で購入しますが、斎場御嶽はそこから徒歩7分~10分程度の場所にあるので注意してください。
この入口まで歩いていく道路には、いくつかお店が出ています。お土産も買えますし、食べ物屋さんなどもあります。もし飲食をしてトイレに行きたくなった場合、この入口の手前にあるトイレで用を足しておきましょう。中に入るとトイレはありませんので。
入口でチケットを見せて中に入ると、小さな部屋があります。そこでまず斎場御嶽のマナービデオを観ます。
常に繰り返し流されています。私が入った時はかなり終盤でした。焦らず待って、一通り観ておきましょう。
入ってしばらくは比較的足場も綺麗になっています。
ただしこのように綺麗になっている場所もあれば、ウローカーへの道のようにかなり荒れている場所もあります。くれぐれも怪我のないようにしてくださいね。
このような場所は日本でも稀少で大切な場所だと思います。マナーを守って斎場御嶽の歴史と雰囲気を味わって欲しいと思います(^_^)
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