2025年大阪万博 喜びの裏にある会場建設費という大問題

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11月23日、パリで開催された2025年国際博覧会(万博)の開催国を決める博覧会国際事務局(BIE)の総会において加盟国による投票の結果、日本(開催地:大阪)がロシア(開催地:エカテリンブルク)とアゼルバイジャン(開催地:バクー)を破り、開催国に選ばれました際には歓喜の渦となりました。しかし今、会場の建設費についての問題が浮上しています。

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2025年大阪万博 喜びの裏にある会場建設費という大問題

 

会場建設費の概算

 

大阪での万博開催が決まった喜びと同時に、会場建設費の問題も生まれています。今回万博の会場となるのは、以前もお伝えした大阪市此花区の人工島「夢洲(ゆめしま)」です。まず最初にやらなくてはいけないのは、155ヘクタールという大規模の埋め立てです。

大阪市の吉村市長が会場予定地の大阪・此花区の人工の島・夢洲について、「急ピッチで埋め立て・造成を始めないと間に合わない。埋め立てが一番大きな費用になる」と言っていました。それほど時間がかかり費用も掛かるということです。

埋め立て地の人工島という場所柄、ただ島を造ればいいというものではありません。そこに訪れるための交通網やインフラもしっかりと整えないと意味がないのです。交通網を考えただけでもかなり大変な作業で費用がかかるだろうことは素人の私でも分かります。

そもそもの概算では、万博の会場整備費は1250億円と見込まれていました。実はこの金額、当初の試算をかなり圧縮してこの金額になったんです。試算って本当にいい加減だなと思います。邪推かもしれませんが、どうせ色々な人間や組織がピンハネするために上乗せしているんだろうなと。そういうのを削ったらもっともっと少なくなると思うんですけどね。

まぁそれはいいとして、これを国、府と市、経済界が3分の1ずつ分担するとのこと。約400億円ずつの負担となります。府と市はさらに、夢洲まで地下鉄を延ばす工事や橋の拡幅、追加の埋め立てで730億円の関連事業費を想定しています。

これだけのことをやるのに7年という期間は、かなりギリギリの状況でしょう。さらに建設業界では人手不足が取り沙汰されており、人材の確保をどうするのかという問題もあります。東京オリンピックが2020年に控えており、東京都と国は予算面で色々と争ってきました。万博に関しても以前不透明である状況に変わりはありません。さらに予算が必要ともなれば、誰がどこまで負担するのか、まだまだそういった争いは出てくるでしょう。

 

交通網

 

人工島ということなので、海に囲まれた島になります。当然市内からは陸続きではないので、島に行くための交通網が必要です。万博の開催ともなればかなりの来場者が見込まれます。来場者数は2800万人を想定しているようですが、185日間の開催日で計算すると

1日当たり15万1351人

となります。これだけの人が毎日会場に足を運ぶ訳です。

ところが現在「夢洲」に行く方法は、

 

此花区のもう一つの人工島・舞洲(まいしま)から「夢舞(ゆめまい)大橋」を渡る

隣の人工島・咲洲(さきしま・同市住之江区)から「夢咲(ゆめさき)トンネル」を抜けて行く

 

この2通りしかありません。これだけじゃどう見ても捌ききれないですよね、素人が見ても。そもそも車じゃないと行けないというのはナンセンスです。だからこそ交通網の整備は必須なんです。昨年8月に大阪府・市と経済界がまとめた「夢洲まちづくり構想」によると、

 

道路は夢舞大橋を現在の4車線から6車線に拡幅

鉄道は大阪メトロ中央線を咲洲のコスモスクエア駅から約3キロ延伸し、夢洲の中央部に新設する「夢洲駅」(仮称)と結ぶ

 

という構想だそうです。大阪メトロの延伸と夢洲駅の建設工事を約540億円と試算しているようですが、実際はもっと増えそうな気がします。しかもこの工事については、万博の開催される2025年を目標としている訳ではなく、2024年に開業目標としている統合型リゾート施設(IR)に合わせるようです。

もちろんメトロだけではありません。京阪ホールディングスは、京都方面から大阪市中心部の中之島を結んでいる中之島線(天満橋-中之島)について、大阪メトロ中央線九条駅まで接続する延伸案を検討。同じようにJR西日本も桜島線(西九条-桜島)を舞洲経由で夢洲まで延伸することを検討しているそうです。ただ、こちらに関しては万博が開催されるから即決定という訳にはいかないようです。

なぜなら万博はイベントです。たった185日だけの。万博が終われば誰も新しく造った路線を使わない可能性があります。そんな不採算なことを民間企業がするわけがありません。なのでこちらに関しては統合型リゾート施設(IR)の誘致が絶対条件になります。

 

運営費

 

施設が完成してもそれだけでは終わりません。実際に万博を運営するための費用が必要になります。この概算ですが、なんと

690億~740億円

とのこと。仮に740億円だとすると、185日で割ると

1日当たり4億円

もかかるそうです。正直この金額には??しかありません。運営するのにこんなにかかるの?余計な費用がめっちゃ組み込まれている気がします。

 

まとめ

 

万博の経済効果は1.9兆円と見込まれているようですが、その試算がどこまで正確なのかはさっぱり分かりません。何しろ捕らぬ狸の皮算用じゃないですけど、全く具体性がなく抽象的な数字でしかないですからね。

それに対して開催するための費用は色々と計算されてあの数字です。ただこの数字だって詳細は全く見えません。大手ゼネコンが軒並み顔をそろえていると思いますが、実際に現場で作業をする人たちに辿り着くまでにいったいいくつの会社が入っていることか。間をピンハネするだけの仕組みが出来ていると思います。

素人考えですが、こういう時に一番美味しい思いをするのは一部の上の人間と企業です。逆に安い給料で働かされるのが下請け企業とその社員たち。この構図をどうにか出来ないものですかね。これを変えるだけでかなり予算は減るんじゃないかと思います。

例えば国や都道府県が1つの建設会社を期間限定で設立し、そこに民間の建設会社から人を派遣させる。派遣させる人数は企業の規模が大きければ多く出させる。そして給料に関しては各法人に対して支払う事にして、一律一人当たりの金額は同じにする。そうすれば大手も小さな会社も平等になると思います。もし人を出すことを拒むのであれば、法律でペナルティーを与えるなどすればいいと思います。

ここでかかる予算は、結局のところ私たちの税金から賄われる訳です。その税金が一部の政治家や企業に流れると言うのはちょっと納得がいかなくないですか?東京オリンピックの時もそうですが、試算が一気に何百億も削減できるっていうのはおかしいと思うんですよね。こういうイベントを開催するのはいいのですが、予算の使い方に対してはもっとオープンにするべきだと思います。税金を払っている国民は、それを知る権利があると思います。いつまでもブラックボックスではなく、いつか透明になって欲しいなと思うばかりです。

 

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