10代女子向け総合メディア「マイナビティーンズ」が毎年発表している「ティーンが選ぶトレンドランキング」。今年も発表されました。2018年に流行した「モノ・ヒト・コト・コトバ」の4ジャンルについて、13〜19歳の女性519名のアンケート回答を集計した結果です。今回は「コトバ」について見ていきましょう。
「10代女子が選ぶ 2018年流行った「ヒト」ランキング!! 6~10位」はこちら
「10代女子が選ぶ 2018年流行った「ヒト」ランキング!! 1~5位」はこちら
10代女子が選ぶ 2018年流行した「コトバ」ランキング発表!!
2018年10代女子が選ぶコトバTOP10!!
10位 つんだ (10.4%)
これは分かりますね。「詰んだ」と漢字にすると分かりやすいかも。将棋をやったことある人なら誰でも分かる言葉です。意味としては「終わり」や「ゲームオーバー」みたいな感じです。実際に終わっている場合だけではなく、もっと広い範囲で使っています。
「人生つんだわぁ~」といったことを聞いたことがありますが、将棋のように本当に負けた訳ではありません。何かが起きて良くない方向になった時などに使われています。例えば学生さんたちの間では、試験を受けた時に出来が悪い場合、「テストつんだ」などと使っているようです。
9位 〇〇オブ〇〇 (11.8%)
パッとみ英語じゃんと思ったんですが、今時の使い方は斬新ですね。
のように使って、意味は「めっちゃ最高」だそうです。日本語の間に英語を挟むとは。。。そもそも「OF」の使い方を知っているのか聞いてみたいですね。
8位 すきぴ (14.3%)
「好きなピープル(people)」を略したもので、「好きな人」のことをいう単語だそうです。ここでいう「好きな人」が意味するところは、彼氏や彼女など恋愛に限った場合だけではなく友達やスポーツ選手、芸能人などにも使われます。つまり恋愛感情だけでなく、「好き」ということを意味して幅広く使われているようです。
ちなみに調べていて分かったのですが、「彼ピ」「彼ピッピ」なる言葉も存在していました。それぞれ意味が違うらしく、
彼ピ=彼氏
彼ピッピ=友達以上恋人未満
という意味らしいです。ここの「ピ」は「people」の略ではないとのこと。「好きピ」はこの2つの言葉の真ん中に位置するそうです。彼女のことはどう言うのか調べてみましたが、特に「彼ピ」のような決まった言い方はないそうです。
7位 しんどい (18.1%)
しんどいなら自分も使ってるって思いませんでした?「仕事が忙しくてしんどいわぁ~」とか。でも若い人たちはちょっと違う使い方をしています。例えば
ジャニーズの○○、かっこよすぎてしんどい
といったように使います。意味としては
「かっこよすぎて大変」とか「かっこよすぎてヤバい」みたいな感じでしょうか。「しんどい」という言葉自体はほとんどの人が知っているので、この使い方は比較的分かりやすいと思います。ただ、「疲れる」という意味ではないので要注意です!!
6位 あげみざわ (18.1%)
これはサッパリ分かりません。人の名前かと思ったくらいです。結論から言うと、
テンションが上がっている
という意味だそうです。使い方としては
彼氏ができてマジあげみざわなんだけど
みたいな感じでしょうか。言葉の由来がさっぱり分からなかったので調べてみました。詳しいことは分からなかったのですが、Youtuber(ユーチューバー)の「けみお」という方の動画で広まったのではないかと言われているようです。
そもそも「テンションが上がる」ことを「アゲアゲ」と昔言っていた時期があり、それが「あげぽよ」に進化し、そして今回の「あげみざわ」になったようです。この辺りは普通の言葉と違ってまともに語源を調べても意味ないでしょうね。若い人たちの発想力に驚くばかりです。
5位 草 (20.8%)
ネットを見ていると頻繁に見るワードの1つですね。意味方はそのまま「くさ」。
笑える、ウケる
といった意味で使う言葉です。なんで「草」がそんな意味になるの?って思いますよね。これはアルファベットの「w」に由来します。2チャンネルなどで「笑う」という意味で使われていたのが「w」です。通常「w」は1つで使うと感じが悪く受け取られる可能性があるため、「wwwwww」のように連打して使います(「w」1つだけ使うことを「単草」と言います)。wが並んだ状態がちょうど草が生えているように見えることから、「草」=「笑」として使われるようになりました。
ちなみに書き込む際は「草」だけ単体の場合もありますが、たいていは「○○草」とか「○○草生えた」といったような形で使われることが多いようです。
お前のあの時の表情はマジ草生えたわ
あのお笑い芸人のネタ見た?スベリまくってて草
みたいな感じでしょうか。
4位 平成最後の〇〇 (22.0%)
これは単純に今年で平成が終わるので、なんでもかんでも「平成最後の○○」と言っているだけです。特に深い意味もなく、読んだままです。例えば
平成最後の夏を楽しみたい
平成最後の誕生日をお祝いしよう
のように使っているようです。日本語として全く問題なさそうです、おじさんから見ても。まぁこれをきっかけに若い人達には天皇家と元号の関係くらいは知ってもらえるといいなぁと思うんですけどね。
3位 〇〇まる水産 (22.4%)
居酒屋のこと?って思った人多いですよね。私もそう思いました。でも10代ならまだ居酒屋にはあまり行かないはず。調べてみると語源はたしかに居酒屋でした。海鮮居酒屋チェーン店「磯丸水産」が元ネタで、「あざまる(ありがとう)」や「おけまる(オッケー)」といった言葉と合体させて、
あざまる水産
おけまる水産
という使い方をするそうです。「水産」にはどんな意味があるの?って思いますが、全く意味はないそうです(笑)単に響きがいいから語尾にくっつけて言っているだけのようです。さっきも思いましたが、真面目に意味を考えちゃダメですね。若者の発想には柔軟な頭が必要です。
2位 〇〇みが深い (30.8%)
またまた難しい言葉が出てきました。調べてみると、
「非常に」「すごく」という意味で、使い方としては
わかりみが深い(すごくわかる)
つらみがある(すごくツライ)
といった感じです。「分かる」という言葉を「わかりみ」としたり、「ツライ」という言葉を「つらみ」にしたりと、どちらも語尾に「み」を付けることによって可愛くなるそうです。知らなければさっぱり分からない言葉ですね。。。
1位 エモい (34.1%)
2018年のナンバー1は「エモい」でした。聞いたことはあるけどイマイチ意味が分からない。。。ということでネットで調べようと思ったら、Wikipediaに登録されてるじゃないですか!!もはやそんなに認知されてる言葉なんですねぇ~。エモいの意味ですが、
エモいは、英語の「emotional」を由来とした、「感情が動かされた状態」、「感情が高まって強く訴えかける心の動き」などを意味する日本語の形容詞。感情が揺さぶられたときや、気持ちをストレートに表現できないとき、「哀愁を帯びた様」などに用いられる。また、現代若者に使われる用語である 。
引用:Wikipedia
しかし驚いたのはそのルーツです。てっきり最近作られた言葉だと思っていたのですが、実はかなり昔からあったみたいです。しかも音楽系の言葉だったんですね。
元々は音楽のジャンルの一つである「イーモウ(Emo)」からきており、メロディアスで哀愁的な音楽性と切ない心情を吐露する歌詞が特徴的なロックミュージックを指す。音楽シーンでは1980年代から使われていた。パンクロックの一種である「エモーショナル・ハードコア」の略称であるとも言われる。エモーショナル・ハードコアは、メロディアスな音楽に感情的な歌詞をのせたロックミュージックで、ここから派生して激情的・感動的な音楽を「エモい」と表現している。
コラムニストの荒川和久は、「『エモい』を日本で一番よく使っているのはメディアアーティストの落合陽一。落合にとっての『エモい』とは、ロジカルの対極にある、一見ムダなもの。『もののあはれ』や『いとをかし』である」と解説している。また、荒川本人も著書「超ソロ社会」の中で、「エモい」という感情が消費を動かすという「エモ消費」という概念を提唱している。日本語学者の飯間浩明も、同様に古代の「あはれ」と似た意味があるとしており、「『いとあはれ』と言っていた昔の宮廷人は、現代に生まれていたら『超エモい』などと表現していたはず」と述べている。
若者言葉としての「エモい」自体は2007年頃から存在していたが、三省堂の「今年の新語 2016」で2位にランクインしたことをきっかけに話題になった。
引用:Wikipedia
こうやって見てみるとなんとなく「エモい」のイメージは分かりました。しかし実際にはどういう場面で使うのかイマイチ分かりません。感情って表現するのがそもそも難しいですからね。そこでもう少し調べてみました。
するとだいたい同じように書かれているのは、
なんともいえない感情
を表現する時に使うということでした。例えば音楽を聴いて感動した時やインスタなどの写真を見てグッとくるときなどです。そういった感情を一言で表現できない時に用いられるのがこの「エモい」のようです。例えば、
あの曲、エモいよね
この写真、超エモいね
といった感じで使います。結局のところ、なんだかよくわからない感情を表すのが、「エモい」です。真剣に意味を考えましたが、そもそも意味なんてないのかもしれませんね。
まとめ
みなさん、ここまで読んでどうでした?私は正直半分も知りませんでした。おじさんからしたら未知の言葉が多いですが、こういう言葉の変化に対しては肯定派です。世の中では言葉が乱れているというような非難もあるようですが、そもそも言葉って生き物だと思うんですよね。
今私たちが使っている言葉も、昔の人たちからしたら全然違う言葉になっていると思います。言葉が変わっていくのは当然のことであって、むしろ変わらない方がおかしいと思います。人は歳をとると頭が固くなり、柔軟な発想が難しくなります。しかし若い人たちは頭も柔軟で発想も豊かです。おじさんやおばさんが世の中の中心になるのではなく、若い人たちがもっと色々なことを発信して新しい文化を生み出していけばいいと思っています。
きっと来年になれば今回のTOP10に入ったワードの中でも使われなくなっているものもあるでしょう。それを悲しいと思うのではなく、楽しむくらいの気持ちを持っていたいと思います。来年はどんな言葉が生まれるのか、今から楽しみです。
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