B’zの通算10枚目のシングルとなる「BLOWIN’」の2nd beat「TIME」。2nd beatなのにLIVEでは今でも度々演奏され、ファンの間からは絶大な人気を誇るバラード曲。私自身も高校生の頃の思い出がぎっしり詰まった大切な曲です。今なお色褪せない名曲「TIME」について見ていきたいと思います。
B’z 歌詞 2nd beat 「TIME」
発売日
1992年5月27日
タイトル曲
BLOWIN’ [3:53]
歌詞
TIME [4:56]
まとめ
まずはWikipediaの内容を見てみましょう。
1992年に行われたPleasureツアーのタイトルとなった曲。2nd beatにも関わらずライブでよく演奏される曲であり、特に90年代のライブではバラードの定番曲として演奏されていた。2000年以降も度々演奏されている。オリジナルアルバム未収録であるものの、ベストアルバム『B’z The Best “Treasure”』投票では5位となり収録されているほか、バラードベストアルバム『The Ballads 〜Love & B’z〜』、ベストアルバム『B’z The Best “ULTRA Treasure”』にも収録されており、2nd beatの曲では最多の3作のアルバムに収録されている。(B’z以外のアルバムを含めると『ONE』が『名探偵コナン』の主題歌集3作を含めた5作に収録)ソングレスバージョンはテレビ朝日『ステーションEYE』オープニングテーマとなった。稲葉はこの歌詞を「自分の思い出の風景を切り取ったもの」と語っており、歌詞中に出てくる「港が見渡せる丘」は横浜市の港の見える丘公園がモデルであるといわれている。
引用:Wikipedia
こうやって見てみるといかに人気のある曲か分かりますね。実は私も大好きな曲で、個人的な思い出がたくさん詰まった曲でもあります。LIVEでイントロがかかった瞬間に鳥肌が立ったり、途中で涙がこぼれてしまったこともあります。それくらいの名曲です。
TIMEの歌詞ですが、曲の中で歌われている景色がハッキリと目に浮かぶのが特徴じゃないでしょうか。例えば冒頭の以下の歌詞
こんな晴れた日は二人で 丘に登ろう
港が見渡せる丘に
どんな空が思い浮かぶ 教えておくれ
キスしたい気分さ
何もない午後の入り江を往く船をただ見つめていた
港が見渡せるような丘の上。空は真っ青なクリアブルー。丘から港を見れば、そこには船が行き来している。そんなのんびりとした風景が浮かびます。この歌詞ですが、私はずっと2人で一緒に実際に登っている状況を書いているんだと思っていました。別れた後の設定ではありますが、そんな2人が一緒に思い出の丘に登った。しかしもう会話もなく、今まで一緒にここに来て見てきた空の中で「どんな空が思い浮かぶ 教えておくれ」と、一番印象的だった「空」を聞いているイメージ。別れている二人だけど彼女を忘れられない彼は「キスしたい気分」。ただそんなことはできず、2人は静かに「何もない午後の入り江を往く船をただ見つめていた」だけ。こういう風に解釈していました。
しかし今こうしてじっくり見てみると、実は2人一緒じゃなくて、1人で丘に登っているんじゃないかと思えてきました。別れてしまった彼女とよく来ていたこの丘に、懐かしくなって来てしまった。「どんな空が思い浮かぶ 教えておくれ」と、心の中で彼女に問いかけているのであり、1人で「何もない午後の入り江を往く船をただ見つめていた」んだろうと思います。
そう考えると次の
どうすれば時が戻る 眩しい太陽の下で
どれだけ涙流れても 静かに海は広がる
がしっくりきます。1人で晴れた丘に登っているという前提なら、眩しい太陽の下で後悔の念に駆られ、涙があふれて止まらない。どれだけ後悔しても、どれだけ涙を流しても、太陽は輝き続け海は静かに目の前に広がっている。という解釈が成り立ちます。もし彼女が一緒だったらちょっと違うのかなと思います。
これに対して2番では過去を回想しています。最初この部分は回想ではなく、一緒にやりたかったことを書いているのだと思っていました。「降り止まない雨の中を 濡れて歩こう」とあるので。
降り止まない雨の中を 濡れて歩こう
手をつなぎ 声をあげて
橋を飾る傘たちの間を縫って
君の部屋までいくよ
長い髪をつたい落ちる滴に不安のかけらも見えなかった
しかし「長い髪をつたい落ちる滴に不安のかけらも見えなかった」とあるのを見て、これは実際に2人が付き合っていたころの楽しい思い出を振り返っているんだと思いました。ただし別れるちょっと前のことだったはずです。雨が降っている中、傘もささずに手をつないでワイワイ言いながら帰っているある一日の記憶。しかも「傘たちの合間を縫って」とあるので、少し駆け足だったんでしょうかね。とにかく無邪気で楽しそうな風景が思い浮かびます。子供のように無邪気で、最高のカップル。
しかしそんな風に思っていたのは彼だけだったんでしょうね。実は彼女はこの時、不安でいっぱいだったんです。楽しかったのは彼だけ。彼女の不安に彼は全然気付いてあげることが出来なかったんです。そしてこの後しばらくして、2人は別れることになります。彼はあの時と同じ大雨の日に、1人激しい雨の中そのことを思い出し後悔しています。
どうすれば時が過ぎる 激しい雨の街角で
どんなにずるさを責めても 胸が痛むだけ
別れてしまったんだから、もう忘れて前に進みたい。「時間(とき)が解決してくれる」とよく言うけれど、どれだけの時間が経てばこの苦しさから解放されるんだろう。時間が経つのを待っているだけでもツラい。この気持ち、よく分かります。
「TIME」のサビの歌詞はどれも心に刺さります。
どうすれば時が戻る
どうすれば時が過ぎる
このフレーズ、当時高校生だった私は何度も同じようなことを思いました。たかが高校生の恋愛でしたが、それでも当時は高校生なりに真剣に恋に悩んでいたんでしょうね。そんな私に思いっきり刺さった歌詞なので、今でもこの曲を聴くと涙が出てしまいます。
言葉はいつも役に立たない
このフレーズもそうなんだなと実感しました。これは2つの解釈があります。
1つは失恋した時、周りの人たちが自分を気遣って色々励まそうと声を掛けてくれたりします。「もう忘れろよ」「前に進もうぜ」「きっとまたいい相手が見つかるよ」などなど。しかしこういう励ましの言葉も、大失恋の時は心に届かないんです。どんな言葉も失恋の傷を癒すことはできないということです。
もう1つは相手を傷つけて別れてしまった後に何を言ったとしても、それはもう相手の心には届かないということです。たとえ自分が何を言ったとしても、彼女にとってはその言葉は薄っぺらなものでしかないので心に響かないんです。行動を伴わない言葉なんて、1ミリの真実も含まれない。だからこそ役に立たないという意味だと思います。嘘つきは信用されないのと同じですね。
あの日の君の声は もう僕に届かない
恋人にだけにしか出さない声とでもいうのでしょうか、付き合っている相手にしか分からない声や言い方、雰囲気というものがあります。これがあるからこそ特別な感じがして愛おしくなるのですが、女性が別れた後に元カレと話す時はもうその他大勢に接する時と同じようになります。そこには自分だけが知っている彼女の姿は消えています。当たり前のことですがそれがとても悲しいのと同時に、もう終わってしまったんだなと感じる瞬間でもあります。そういったことを端的に述べたフレーズだと思います。
TIMEに関しては、失恋をした時に聴きたくなる曲です。癒されるために聴くのではなく、一緒に後悔をするために聴く曲と言えばいいのでしょうか。だからこそ色々な思い入れができて涙が出てしまうんでしょうね。間違いなくこの曲は私の人生において何度も救いになった曲です。知っている人はもちろん、知らない人にもぜひ聴いてほしいと思います。
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