チケット転売規制法が成立へ 東京オリンピックを見据えて

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2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを見据え、スポーツやコンサートの入場券の高額な転売を規制する新たな法案が今国会で成立する見通しとなりました。与野党が衆院文部科学委員長提案として衆院本会議に提出することで合意。30日に開く同委で議決するとのこと。いったいどうやって規制するのか、考えてみました。

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チケット転売規制法が成立へ 東京オリンピックを見据えて

 

現在のチケットの販売方法について

 

コンサートやスポーツなどのチケットですが、だいたい最初にファンクラブの会員向けに先行発売されます。俗に言う「FC枠」です。私はB’zの大ファンなのですが、B’zは1回のツアーで日本各地を回ります。しかも例えば東京で公演がある場合、1公演だけではなく複数回開催されることが多いです。

しかしファンクラブの先行発売で取れるのはだいたい1公演だけ(枚数上限は4枚が多いです)です。東京で3公演あったとしたら取れるのは1日だけ。人にもよりますが、複数回行きたいと思う人は少なくないと思います。私の場合、この前まで開催されていたB’zの「LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI- 」ツアーには、日本各地合わせて10公演参戦しました(LIVEの参戦レポートはこちらです)。30周年を記念するツアーだったというのもありますが、何よりもB’zが大好きだからです。本当はもっと参戦したかったのですが、チケットが取れずに諦めました。

10公演のチケットを取った内訳ですが、ファンクラブで取れたチケットは4公演。最初の先行予約で3公演、二次申込みみたいなので1公演。ファンクラブではなくB’zのオフィシャルサイト枠で1公演。残りの5公演は「チケットぴあ」や「セブンイレブン先行」、「ローソンチケット」で取りました。ちなみに全て私1人で取った訳ではなく、友達のB’zファン複数名で手分けして取りました。友達同士なのでそもそも一緒に参戦しますし、お互い余ったチケットを譲り合えるからです。そうでもしないと複数回の公演チケットを手に入れられません。

私個人の考えですが、コンサートなどのチケット発売でファンクラブがある場合、

 

ファンクラブ内で申込みを受付

A:その上でコンサート会場の定員を超える申込みがあった場合は抽選

B:定員を超えない場合は全員購入できる

C:定員を下回った場合のみ一般発売をする

 

これがベストだと思います。そもそもファンクラブの会員は入会費や年会費を払っている訳ですし、何よりもファンを大切にすべきだと思うからです。アーティストとしてはファンの裾野を拡げたいという思惑もあると思います。その場合は、ファンクラブに入っていない人専用の公演を何回か開催すればいいと思います。

現状ではファンクラブの申込みで落とされて、一般発売でも落とされることが多々あります。一般発売の場合はほぼハズれると思って間違いありません。それなのに転売目的の人間が一般発売で購入したチケットを転売に出して、そのチケットをチケットが買えなかったファンクラブの会員が購入するという流れがどうしても理不尽に思えて仕方ありません。

「転売チケットなんか買わなければいい」「転売チケットを買う人間がいるから売る人間が出る」という声もあるとは思いますが、どうしてもコンサートに行きたいという人がいるのも事実です。その気持ちが分からないからそういう声も出るのだと思いますが、そこを責めるのではなくこうなっている現状を責めるべきではないでしょうか?

 

デジタルチケットはどうか?

 

数年前からチケットの転売を防ぐため、「デジタルチケット」を取り入れているところもあります。デジタルチケットはその名の通り、紙のチケットではなくスマートフォンの画面にチケットを表示させるものです。「チケットボード」という会社が有名です。この方式だと、2枚以上チケットを申込む際は、あらかじめ同伴者の氏名やメールアドレスを入力します。チケットが当選した場合、申込みをしたスマートフォンにその旨が届き同伴者に電子チケットを分配する仕組みです。

ただこの方法でも抜け穴はあります。IDやパスワードを教えてしまえば、第三者でもログインしてチケットを表示出来るからです。もちろんコンサート会場で本人確認をすれば一発でアウトですが、ほとんどの場合は本人確認がないのでこれで大丈夫といった現状です。

韓国の人気ガールズグループのtwiceの場合は、同じ電子チケットでももう少し厳しくなっています。ホームページやアプリとスマートフォンが連動し、IDやパスワードがスマートフォンと紐づけられているため、簡単に別のスマートフォンでチケットを表示出来ないようになっています。もちろん抜け穴はありますが、少しずつ厳しくなっています。

 

会場での本人確認について

 

小さい会場であれば本人確認も可能だと思いますが、ドームやスタジアム会場ともなると何万枚ものチケットが販売されます。入場時に全ての人の本人確認をするとなると、膨大な時間と手間がかかるのは容易に想像がつきます。だからこそ現在はほとんどスルーの状態です。

ただ中にはしっかりと本人確認をしている場合もあります。例えばB’zのコンサートの場合、「SS席」という特別な席があります。ファンクラブ会員であることが条件で、2枚までしか申込みができないチケットです。この席は当日必ず本人確認があります。SS席を申込む際、同伴者がいる場合には必ず同伴者の情報も登録し、当日持参する身分証明書(顔写真付きのもの)も申告します。

公演当日には専用の入口に行き、身分証明書などを提示して本人確認をします。本人確認が終わると手首に紙のテープをはめてもらいます。この紙テープがチケットの代わりになります。紙テープが切れてしまったら無効になるので、注意が必要です。しかしこれだと紙テープを外して誰かに渡すこともできないので、非常に効果的です。まず100%転売を防いでいると思います。

この方法がベストだとは思いますが、時間と手間を考えると全てに導入するのは困難でしょう。

 

チケットの転売について

 

チケットの転売がなぜ起こるのか?それは単純に行きたい人がチケットを購入できず、転売したい人がチケットを購入しているから。需要と供給のバランスの問題です。もう20年以上前になりますが、チケットの転売を生業にしている人がいました。彼は事務所に電話機とパソコンを20台ほど並べ、土日にはアルバイトを雇って電話でチケットを取っていました。今と違ってネット申込みがなかった頃です。あの頃私は直接チケットぴあの窓口に前日の夜から並んで取ったこともあります。

彼の1ヶ月の収入はどれ位だと思いますか?なんと700万円です。とんでもない金額ですよね。電話と言ってもただの電話ではありません。ある特別な電話機で、パソコンのプログラムと繋げて1秒の間にとんでもない回数を発信できる代物です。電話をかける先はチケットぴあなどですが、一般に公開されている番号ではなく「子番号」と呼ばれる番号にかけていました。そうやって取得したチケットを彼は金券ショップに行って売っていました。

当時私もよく電話をしてチケットを取ろうとしたことがありますが、1時間かかっても1度も繋がらなかった経験しかありません。いつも「混雑しています」のアナウンスか、たまに話し中の音。。。都内の公衆電話の方が繋がりやすいと言われていたので、都内の公衆電話からかけていましたが繋がりませんでした。しかしそれもそのはず、こういった業者が1秒間に何百回だか何千回だかというとんでもない回数発信しているんですから。

また、違った形態ではありますが昔はダフ屋もたくさんいました。しかし最近ではダフ屋の取り締まりは厳しくなったため、コンサート会場で見かけるダフ屋の数は一気に減りました。インターネット上でのやり取りが増えたのもダフ屋が減った大きな原因の一つだと考えられます。では現在はどのようにチケットの転売が行われているのでしょうか?

 

ヤフーオークション(ヤフオク)

 

言わずと知れた日本最大級のオークションサイトです。インターネットサイトでのチケットの転売はここから始まったのではないかというくらい昔からやり取りされています。私も10年ほど前にB’zのチケットを何度か落札したことがあります。しかし詐欺も多く、B’zのチケットだけで3回詐欺に遭いました。実際に落札したのにチケットが送られてこないというパターンです。連絡先として聞いていた番号も解約されていました。そもそもファンクラブのチケットを落札したのですが、実際コンサートの公演日の半年以上も前に落札しました。

なんでそんな前に落札したんだと思われるかと思いますが、ファンクラブでチケットの申込み・当落の発表があるのは公演日のかなり前の段階です。半年前は当たり前、もっと前になることもあります。そのため、当選の発表があった当日に出品する人も多くいます。商品詳細には「都合が悪くなって行けなくなったので泣く泣く出品します」などと書かれていますが、半年以上先の都合がそんなにすぐ分かるのかとツッコミたくなりますが。。。

まぁそれは置いておいて、公演日よりかなり早い段階で落札したので、落札してすぐに連絡してからはコンサートが近づいてくるまで連絡しませんでした。住所や電話番号は落札後に聞いており安心していました。ところが公演日が近くなってもチケットが送られこず不安になりました。その段階で初めて聞いていた電話番号にかけてみたところ、既に解約されていたというオチです。結局3回ともそれぞれ本人に辿り着いて回収はしましたが、こういった危険があります。ヤフオクだから安全ということはありません。

今は少しは改善したと思いますが、それでも詐欺が起こる危険性はあると思います。

 

フリマサイト(メルカリなど)

 

ここ数年一気に人気が出たフリマサイト。最近ではフリマサイトでやり取りしている人も増えているようです。私はバスケットボールの招待チケットを購入したことがありますが、手軽にできるので人気のようです。直接手渡しにして、受け渡し場所も安全な場所を選べば比較的安心です。手数料が発生しないのも人気の秘密だと思います。

 

SNS(Twitterなど)や掲示板

 

Twitterでやり取りしている人も多いようです。ただ、Twitterはフリマサイトやヤフオクと比較すると匿名性がかなり高いので、詐欺も多いようです。私もB’zのチケットで怪しい人から取引を持ち掛けられたことがあります。相場では3万円くらいだったのを定価でいいとのことだったのですが、指定の住所にエクスパックで代金を送るのが条件でした。あまりに怪しかったのでわざとやり取りを続けたのですが、教えてきた住所と電話番号を調べたところ、まず住所は怪しい古いアパートの一室で、電話番号に発信したところ、全くの別人が出ました。その方は最近何回か同じような電話がかかってきて気持ち悪いと仰っていたので事情を説明し、警察に届け出た方がいいですよと伝えました。こういうのがあるのでTwitterは最も危険性が高いと思います。

 

チケット売買サイト(チケット流通センター・チケットストリートなど)

 

これらのサイトは非常に有名です。私も購入したことがあります。少しずつシステムが変わってきており、今は色々な補償が有料で付けられるようになっています。このサイトですが、どちらもトラブルになった場合の運営会社の対応はとても悪いです。私もトラブルに巻き込まれたことがありますが、何の力にもなってくれませんでした。

購入したチケットが届かないので問い合わせたところ、キャンセルになったので返金するとのこと。それもコンサート直前です。たったそれだけ。売り手がキャンセルした場合、違約金が発生するのですがそれがもらえるのはサイト側。買い手にはなんの謝罪も補償もありません。まぁこんなのは当たり前で、その他色々トラブルは出ています。ネットで検索すればそれぞれ出るでしょう。どちらもメールの対応しかしていないのがそもそも間違いです。電話の窓口は意図的に設けていないのでしょう。

 

チケット転売規制法で転売を規制できるのか?

 

色々考えたのですがハッキリ言ってかなり難しいと思います。そもそも規制をする上で、何かしらの法的罰則が設けられるのでしょうか?もし法的な罰則が定められるとしたら、ヤフーオークションやメルカリ、Twitter、チケット流通センターなどの運営会社も責任を追及されることになります。転売する場所を提供している訳ですから。

しかしTwitterなどに限っては、無数のツイートの中からチケットの転売に関するツイートだけ拾い、かつその中身が転売目的であると判断しないといけません。その上でツイートを削除したりアカウントの凍結をして、かつ本人を特定しなければなりません。罰則があるのですから、警察はツイートした本人を特定して逮捕しないといけない訳です。これって可能だと思いますか?私はかなり難しいと思います。ツイートも短時間でやり取りを済ませてしまって削除してしまえば見つかりません。そもそもTwitter側としてもチケットだけのためにそこまでやるのでしょうか?ヤフオクやメルカリでも同じことが言えます。

ただ、チケット流通センターやチケットストリートなどに関しては取り締まるのは簡単だと思います。法的な規制となれば、国から運営側に定価以上の金額を入力できないようにするよう命令すればいいわけですから。無論そうなるとサイトの収益は激減するのでサイトは閉鎖されると思います。

そうなると結局SNSなどにどんどん移行していくのではないでしょうか?もしくは別の仕組みを考える人が出そうです。

 

まとめ

 

今回のチケット転売規制法ですが、あまり意味がないと思います。それよりもそもそもチケットの販売方法と入場方法を変更すべきなのではないでしょうか?チケットの転売を規制するよりも、転売するような人間へそもそもチケットが行かない方法を考えた方が効果的だと思います。転売する人間がチケットを入手してしまうから転売が起こるんです。転売する人間がチケットを買い占め、本来行きたい人が定価で購入できなくて仕方なく高値で購入する訳ですから。ここを変えるのが先決でしょう。

今は顔認証システムなどかなり技術は進歩しています。個人情報の問題などもありますが、正規のルートで購入した人しか入場できないようにするのが一番分かりやすく最大の転売防止になるのではないでしょうか?今後もっと詳しい内容が明かされると思いますが、その内容が期待外れではないことを願うばかりです。

 

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