東名夫婦死亡事故 あおり運転の男に懲役18年!!

東名夫婦死亡事故 あおり運転の男に懲役18年!!

昨年6月、神奈川県大井町の東名高速道路で乗用車にトラックが追突し、「あおり運転」を受けた夫婦が死亡した事故。自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪などに問われている無職石橋和歩被告(26)の裁判員裁判で、横浜地裁は14日、懲役18年(求刑・懲役23年)の判決を言い渡しました。

 

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東名夫婦死亡事故
あおり運転の男に懲役18年!!

 

 

今回の争点

 

今回の争点はなんと言っても

 

危険運転致死傷罪が成立するか

 

ということでした。先日書いた記事(「東名夫婦死亡事故 あおり運転の男に懲役23年求刑」)でも説明しましたが、

 

危険運転致死傷罪

(第二条、第三条) 下記の行為によって人を死傷させた者

  1. アルコール又は薬物の影響により、正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
  2. アルコール又は薬物の影響により、正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で自動車を運転する行為であって、結果としてアルコール又は薬物の影響により、正常な運転が困難な状態に陥ったもの
  3. その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
  4. その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
  5. 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  6. 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  7. 通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  8. 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転する行為であって、結果としてその病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥ったもの(適用対象となる病気は後述)

引用:Wikipedia

 

この5番が問題となっていました。走行中の車に著しく接近し、かつ重大な危険を生じさせる速度で運転する行為が該当する訳です。しかし今回の場合は、車は停車した状態でした。停車した状態でも適用されるのかが一番の争点だった訳です。

条文通りであれば適用されないのですが、そもそもこの条文は停車した状態を想定していなかったんですね。そのため今回の判決は、今後同じようなケースの事件が起きた際の1つの目安となるので特に注目を浴びていました。

 

検察側の主張

 

争点に関して検察側は、

 

・高速道路は最低速度が定められており、停車することも原則禁止されている

・一般道に比べて早い速度で通行するのが通常で、そこに停車することは非常に危険

・停車状態、つまり時速ゼロも高速道路では危険な速度に含まれる

 

と主張していました。仮に時速ゼロが危険な速度に含まれないとしても、

被告の一連のあおり運転の結果、停車するしかなかった

⇒その結果、追突事故が誘発された

という因果関係があるとして、危険運転致死傷罪の適用を求めていました。

 

弁護側の主張

 

弁護側は事故に至るまでの事実関係に関してはほぼ認めました。しかし

危険運転致死傷罪は走行中の行為を前提としている

と主張し、反論。まぁ条文の通りであればこのように反論するのは当然と言えば当然です。少なくとも時速20~30キロを出していることが必要であり、停車後の事故は危険運転致死傷罪には含まれないと主張しました。因果関係に関しても、

停車したことによって、運転行為による危険は断絶・消滅した

と否定し、同罪では無罪を求めていました。

 

判決

 

14日の判決で横浜地方裁判所の深沢茂之裁判長は、

「4度の妨害運転後に停止させたのは密接に関連した行為といえる。死傷の結果は妨害運転によって現実化した」と述べ、被告のあおり運転と萩山さん夫婦の死亡には十分な因果関係があると認定し、危険運転致死傷の罪を適用できると判断しました。

一方で、高速道路上で停車させた速度ゼロの状態が同罪の構成要件の「重大な危険を生じさせる速度」とするのは解釈上無理があると指摘。停車状態で大きな事故が生じたり、事故を回避したりすることが困難になるとは認められないと述べました。

そのうえで、「被告の行為は交通量に照らすと、生命身体に対して極めて危険性が高く、結果は重大だ」として石橋被告に懲役18年を言い渡しました。

懲役18年とした判決理由ですが、「複数人が死傷した事案でも、重い部類に入る」と説明。萩山さんに駐車方法を非難され、腹を立てたことが動機だったとして、「常軌を逸している。身勝手で自己中心的、短絡的な犯行で、くむべき余地はない」と述べました。

 

まとめ

 

まずは一番の争点だった「危険運転致死傷罪」が適用されたことに対しては妥当だと思います。法律的には難しいと思っていましたが、個人的には適用して欲しいと思っていたので良かったと思います。

しかし判決は18年。ちょっと短いと思います。2人の尊い命を奪ったことを考えると、正直5年も短くなったのは残念です。おそらくこの後石橋被告は控訴すると思います。このまま今回の判決を素直に受け入れる人間ではないと思うので。最終的には最高裁まで争うことになりそうな気がしますが、量刑については再考の余地があるのではないでしょうか?長い裁判になるとは思いますが、今後もしっかり見守っていきたいと思います。

 

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