昨年頃から耳にする「5G」というワード。これは携帯電話の世界で使われるワードです。現在主流となっているのは「4G」。当初はオリンピックに向けて開発を進めていると言われていましたが、先日NTTドコモなど携帯電話大手3社が2019年に始めるという構想を発表しました。いったい「5G」とはどんなものなのか、調べてみました。
5G(第5世代)って何? 携帯電話はどう変わる?
5Gの「G」って何?
普段あまり意識していなかったのですが、「4G」や「5G」に使われている「G」とはどういう意味を持つのでしょうか?答えは「世代」を意味する英語の「Generation」の頭文字の「G」です。それではそもそも携帯電話の世界で言う「世代」とは何なのか?
携帯電話の世界で言う「世代」とは、通信システム(インフラ)と携帯端末の両方を根幹からそっくり新しく作り替え、通信速度の大幅な向上を可能とする節目のことを「世代」と言います。今が4Gということは、第四世代ということですね。ということは、過去には1G~3Gもあったということになります。
「G」の過去の変遷
1G (1979年~2000年)
「1G」が最初に利用されたのは1979年でした。当時の日本電信電話公社(現NTT)が開始した「自動車電話サービス」で使われました。当時はまだアナログ方式で、通話は都市圏に限られるなど制約が多いものでした。もちろんネットの機能なんかはありません。通話のみです。利用していたのはお偉い方々やお金持ちばかりですね。当時は電話と言えば固定電話だけ。車の中で使えるような電話を持っている人は限られています。主に社用車やハイヤーで使われていただけで、まだまだ一般庶民には手の届かないものでした。
その後1985年に重量約3kgの肩かけ式の「ショルダーホン」が発売され、これが携帯電話の最初の形です。平野ノラさんがネタでこの「ショルダーホン」を使っていますが、当時は革命的な電話だったんです。
2G (1993年~2010年)(2.4kbps⇒28.8kbps)
「2G」は1993年に登場します。アナログ方式からデジタル方式に変わったのがこの時です。デジタル方式になったことにより、「メール」が使えるようになりました。
最初の頃は着信音などは、あらかじめガラケーに登録されているものから選択するしかありませんでした。今のように好きな歌などに変更することはできなかったのですが、1996年頃から自作で作った着メロ(歌そのものが流れるのではなく、メロディーだけが流れるものなので着メロです)を使えるようになりました。
今では信じられないかもしれませんが、ガラケーに自分で音符を1つずつ入力してメロディーを作っていたのです。単音から始まり、次第に2和音→3和音→4和音、、、と進化し16和音なども出来るようになりました。着メロを作れるように音符が書かれた本が発売されていましたが、私の周りはみんな買っていましたね。単音から和音になっただけでも感動したものです。画面もずっと白黒だったのが、1999年~2000年にかけてカラーになった時もみな驚いたものです。
また、当時のガラケーはアンテナが付いているものが多く、このアンテナで電波を拾っていました。電波の入りが悪いとアンテナを伸ばし、ウロウロしながら電波を探すという光景がよく見られたものです。
アンテナの先端もよく光っていました。アンテナの先端にはLEDが仕込まれ、着信すると光るというアンテナが大ヒットし、あちこちで見かけました。ただこのアンテナ、自分のだけでなく、近くにいる人の携帯電話が着信しても光ってましたけどね。今振り返ると、この頃の携帯電話が一番携帯電話っぽかったと個人的には思います。
ポケットベルやPHSが登場したのもこの時期です。
3G (2001年~)(数Mbps~14Mbps)
2001年には、国際電気通信連合 (ITU) が定める「IMT-2000」 (International Mobile Telecommunication 2000) 規格に準拠した通信システムが使われるようになったため、それまでとは桁違いな高速データ通信が可能になりました。
そのため、携帯電話でインターネットを利用することが一般的になってきたのも「iPhone3G」の国内販売が始まったのもこの頃です。これにより、スマホ時代へと突入します。
4G (2012年~)(100Mbps~1Gbps)
2012年より3.9G(別名「LTE(Long Term Evolution)」)がスタートし、スマートフォンの普及に拍車がかかりました。3世代から4世代へのスムーズな移行を目指すもので、3Gと4Gの間の規格となります。100Mbpsの高速データ通信が可能になった事により、スマホでも高画質の映像が視聴可能になりました。
さらに4Gがスタートしたことにより、数百Mbpsの高速通信時代が到来。スマホでテレビや動画を観たり、ゲームができるようになりました。
ちなみに1Gの頃に比べると4Gの通信速度は約10万倍になったと言われています。たった数十年の間にこれだけの進歩を遂げてきたわけです。技術者の方々がいかに優秀か思い知らされます。
5G (2020年~) 10Gbps
そしてオリンピック開催の2020年を目処に進められてきた5Gですが、通信速度を4Gと比較すると、なんと10倍~100倍になるそうです!! 3Gの頃から4Gになった時にかなり驚いたのですが、今よりもさらに10~100倍って。。。凄すぎです。
でもそこまでする必要があるのかと思ってしまいます。今でも十分だと個人的には思うからです。
なぜ5Gが必要なのか?
「IoT」という言葉、最近テレビなどでも耳にしたことがあるかと思いますがどういう意味か知っていますか?これは「Internet of Things」の略で、簡単に言うと「身の回りのあらゆるモノがインターネットにつながる」仕組みということです。
例えば最近では家電製品が分かりやすいと思います。「eRemote」というものがあります。家にいくつもあるリモコンを1つにまとめ、スマホひとつであらゆる家電を操作することができてしまうというとんでもないものです。Wi-Fiと繋げることで、赤外線で各家電に信号を送ることができます。しかも家の中でも外出先からでも、テレビやDVD、スピーカーをONにするのはもちろん、照明を消したりすることもできます。
また自動運転カーもいい例です。自動運転カーでは、ヒトではなく車が自律的に道路状況を判断して走行することが求められます。そのためにはその車だけでなく、信号機、近隣を走行する自動車や自転車、歩行者などからも情報を取得するようになれば、より安全性が高まります。先行車から情報を得たり、道路の混雑状況も把握して最適なルートを検索することで、時間短縮や省エネも実現できます。
このように5Gでは、「多接続性」や「低遅延」の実現が求められています。4Gで10ms(0.01秒)程度だった無線区間の遅延を、5Gでは1ms(0.001秒)と1/10まで短縮する方向で検討されているそうです。それくらいのレベルでないと、自動運転カーのレベルで言えば大きな事故につながりかねません。
だからこそ、今5Gが必要とされています。もはや通話やメールという機能ではなく、全く別次元の話になっているんですね。5Gになった場合ですが、今後主流になる「4K」や「8K」と呼ばれる超高精細な映像を配信することも可能になり、2時間の動画もたった3秒でダウンロードができるようになるとのことです。
まとめ
こうやって携帯電話の歴史を遡って見てみると、ものすごいスピードで進化しているのが分かります。昔は新しい携帯電話を手に入れると一生懸命機能を使おうとしたものですが、iPhoneにしてからは使い方が分からない機能がほとんどの状態です。しかもアプリもたくさんあり、なにが流行っているのかすら分からない状態です。ガラケーがガラパゴス化したと言われますが、私みたいなおじさんも完全にガラパゴス化してしまった気がします。
それでもこの先まだまだ携帯電話は進化を続けていくでしょう。そしてますます生活に欠かせないものになってくると思われます。なんとか取り残されないように、頑張って使っていかなくてはと思いました(;^ω^)
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